レポート:「食」の安全と流通を考える~食料安全保障とトレーサビリティ~

2023年2月7日

 今回は、「食」の安全と流通をテーマとしました。

 私たちが生きていくうえで、「食事」は非常に重要です。しかし、国内の食料自給率が低い日本で、戦争・災害などで輸送経路が遮断された場合、どうしたらよいでしょうか。また、流通の過程でどのようなリスクがあるのかを知るべく、2つのセッションで企画・開催しました。

 初めに、キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁氏からは、食の安全保障に関して、これまでの日本と世界の歴史を振り返りながら、農政の課題と今後に向けた対策、また流通時のリスク、加工食品などの安全性の担保など、幅広い観点からご講演いただきました。

 続いて、海外で果物を生産し、国内へも出荷しているユニフルーティジャパン株式会社の紿田茂哉様より、海外で生産されたバナナが消費者の手元に届くまでの一連流れと、トレーサビリティにおける課題について、自社の事例を交えてご紹介いただきました。

概要

日時 2023年 1月27日(金) 15:00~17:25
会場 オンライン開催
対象 SAJ会員+JAISA会員
参加 21社/26名

プログラム

時間 内容
15:00~15:03 事前連絡
開催挨拶 中村 憲司 農業ICT研究会主査(株式会社大和コンピューター 代表取締役社長)
15:03~16:25

食料安全保障と食の安全
講師:山下 一仁 氏
(キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹)

食料危機には、どのようなものがあるのか?日本で起きる危機とそうではない危機とは何か?食料安全保障についての日本の対応はどうか?政府は何をしようとしているのか?真の食料安全保障を達成するためには何をすべきか?食の安全のための対策はどのようなものがあるのか?食の安全と食料安全保障の関係は?農業の生産~流通までをテーマに幅広く解説いただきました。

16:25~17:25

日本の消費を支えるフィリピン産バナナ~安定した生産の継続と今後への期待~
講師:紿田 茂哉氏
( 株式会社ユニフルーティー ジャパン Sr. Department Manger)

1963年のバナナ輸入自由化から60年、台湾やエクアドルからの輸入量を抑え日本のバナナ消費に貢献するフィリピン産バナナについて、栽培・生産と流通のフローから食の安全の確保について、自社の事例に沿ってご説明いただきました。

  1. 日本におけるバナナの歴史
  2. バナナ輸入数量の推移
  3. フィリピン最大のバナナ生産拠点、ミンダナオ島
  4. バナナ栽培/収穫から店頭までの流通経路
  5. 食の安全と地域環境への配慮
  6. バナナが食べれなくなる?
  7. 安定した生産の継続と今後への期待(さらなるトレーサビリティーの可能性)

講師略歴

講師略歴

山下 一仁(やました かずひと)氏
(キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹)

1977年東京大学法学部卒、農林省入省、1982年ミシガン大学行政学修士、応用経済学修士、2005年東京大学博士(農学)、2008年農林水産省退職、同年経済産業研究所上席研究員、2010年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹、著書に、「日本が飢える!」(2022年)幻冬舎新書、「国民のための『食と農』の授業」(2022年)、「TPPが日本農業を強くする」 (2016年)、「農業ビッグバンの経済学」 (2010年)日本経済新聞出版、「いま蘇る柳田國男の農政改革」新潮選書(2018年)、「環境と貿易」 (2011年)、「食の安全と貿易」(2008年)日本評論社など

講師:紿田 茂哉(たいだ しげや) 氏
株式会社ユニフルーティー ジャパン Sr. Department Manger)

1997 年国際基督教大学教養学部卒、大手青果物輸入商社入社。量販店向けのバナナ営業担当を経て、減農薬栽培/有機栽培バナナを中心とした生産地と販売をコーディネートする業務に従事。コーヒー生豆の輸入商社勤務を経て、2010 年より㈱Unifrutti Japan に在職。フィリピン産バナナの生産・輸入に関するオペレーション、および世界各国の果物を日本へ輸入するために産地開拓を担当。

中村主査による開会挨拶(現地)
中村主査による開会挨拶(Online)
山下様による講演の様子
紿田様による講演の様子

ビデオアーカイブ(会員限定)

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