「専務のツブヤキ」
~続く災害へのお見舞いとモノ言う株主、村上世彰~

2018年9月15日

CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎

9月1日は防災の日でしたが、その直後に大型台風の来襲と北海道胆振東部地震の発生という未曽有の災害に見舞われました。 被害にあわれた会員企業の皆様、従業員の方々に改めてお見舞い申し上げるとともに、被害にあわれた地域の一日も早い復旧・復興を願っています 。7月のコラムで高松であった台風による高潮のお話をしたばかりでしたが、まさかあの関西空港が同じ高潮で一時水没するとは夢にも思いませんでした。また、北海道の地震は不運にも震源地の近くに北海道の約半分の電力を賄っている苫東厚真火力発電所があり、そこが止まったため連鎖的に道内全ての発電所が止まり、道内全域が一時停電となりました。報道によれば苫東厚真火力発電所の完全復旧は11月頃までかかりそうとのこと、当分北海道の電力不足は予断を許さない状況のようです。発電所の大型化・集中化は効率的には良いのですが、リスク分散の重要性を痛感するとともに、改めて 効率化と安全性(リスク分散)のバランスの難しさを教訓に残した のではないでしょうか。IT業界で言えば、 データセンターの配置や運営にも共通する教訓 かもしれません。

話は変わりますが、先月末に同期会があり、久しぶりにモノ言う株主で有名だった 村上世彰が現れました 。彼によれば9月5日に「 いま君に伝えたいお金の話 」が㈱幻冬舎から出版されるとのこと、何冊か持って来たので、私もサインをお願いして一冊頂きました。中身は 子供向けのお金に関するリテラシーを高める内容 でした。今後の目標はこの本の内容を中心に 小学校100校で講演したい とのこと、紹介してくれれば必ず講演に行くと言っていました。

実は私も以前から子供にお金に関することを教えることは重要だと思っていました。読んでみると、基本、 お金は血液と同じで体(経済)中を循環しない(無目的に貯める)と意味がない ということですが、使う目的があって貯めることは必要であるとか、株のことも意識して損切りのタイミングのことや、教育ローンや住宅ローンなど借金をする時の注意点など彼らしいエピソードを交えながら分かり易く説明していました。また、リスクとリターン、確率論で言う期待値の話も取り上げられていましたが、改めて 子供には数学、特に確率論はしっかり学ばせたい と思いました。ただ、人間は非合理な判断、行動をするものです。最近は行動経済学ということで学問にもなっていますが、 人は選択肢を与えられても、確率論で計算した期待値と反対の判断をする ことがままあります。リアルな社会、特にお金の世界で、期待値をどう使い、判断すれば良いか、それは実は意外と盲点なのですが、その点もこの本ではしっかり指摘されていました。

大学生の息子たちにこれを読めというのは簡単ですが、私がそう言うと逆に彼らはまず読みません。今、この本、彼らの目につく場所にさりげなく置いています。自然に、ふと興味をもって手にしてくれれば良いと期待していますが、、、残念ながらその期待値は私には計算できません(笑)

また、同期会には齋藤健農水大臣も一時間ほど顔を見せました。久々に気心の知れた同期とリラックスして色々語ってもらい大いに盛り上がりましたが、まあ今は自民党総裁選の微妙な時期ですのでここではやめておきましょう。彼、石破派ですし、、、(^-^;)

最後になりますが、来月 10月は情報化月間 です。最近狭き門ですがCSAJでは情報化促進貢献個人等表彰で個人部門及び企業部門の両部門で併せて3件の推薦をしています。このコラムが公表される前にまでに経済産業省から公式の結果発表がありませんでしたが、業界全体に元気が出ますので たとえ1件でも吉報を楽しみに待ちたいと思います

筆者略歴

笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)

1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。

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