「専務のツブヤキ」
~情報化月間(情報化月間経済産業大臣賞、U-22プログラミングコンテスト、CEATEC2016、高専プロコン)について~

2016年10月15日

CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎

 10月は情報化月間です。今回はこれに関する一連のCSAJ及び私が係わったイベントについてツブヤキます。
 幸先良いことに、CSAJから推薦した(株)ワークスアプリケーションが平成28年度情報化促進貢献個人等表彰で経済産業大臣賞を受賞し、10月3日に情報化月間記念式典において井原経済産業大臣政務官から同社代表取締役最高経営責任者 牧野 正幸氏に対して表彰状が授与されました。受賞理由は、同社がグローバル市場の獲得を目指し、高度なAI機能を活用した革新的なERPシステム「HUE」(ヒュー)を開発したことでした。現にグローバル市場を見据えて、同社は伊勢志摩サミットで安倍総理がメルケル独首相にパートナー国になることを約束した来年3月にハノーバーで開催される国際情報通信見本市(CeBIT)への参加も検討しているとのこと、その意味で経済産業省としても是非同社に経済産業大臣賞を贈りたかったのかもしれません。
 10月2日には、U-22プログラミング・コンテストの最終審査会がUDX@秋葉原で開催され、今年は小学生と中学生が経済産業大臣賞を受賞しました。2020年に小学校からプログラミング教育の必修化が決まっていますが、プログラミング教育委員会も7月に設置されたばかりですし、昨年に引き続き小学生が経済産業大臣賞を受賞したのはこれも幸先が良い気がした次第です。
 次は、CSAJがJEITA様(電子情報技術産業協会)及びCIAJ様(情報通信ネットワーク産業協会)と共催で開催しているCEATEC(10月4~7日)です。今年は家電見本市というイメージからCPS(Cyber Physical System)/IoT(Internet of Things)見本市に大転換するということを内外に強くアピールするため、3日夜に安倍総理、世耕経済産業大臣、高市総務大臣らを来賓にお迎えしてパレスホテル(@大手町)で盛大なレセプションが開催されました。丁度同じころ東京工業大学の大隅良典栄誉教授がノーベル医学・生理学賞を受賞するという大ニュースが飛び込んできましたが、今回の大転換のお陰でCEATECもそのニュースに負けずに大きくマスコミに取り上げられホッとするとともに、今年の来場者総数も対前年比9.1%増と来場者の減少にやっと歯止めがかかりました。3団体のキーノートスピーチは、IoTの今後課題などが興味深かったCIAJ山本会長、日立のIoTソリューションに時間を割いたJEITA東原会長、最後にIT業界の今後のあるべき姿に力点をおいた荻原会長でした。私的には、前の両者の講演では一切笑いがなくシーンと会場が静まり返っていたのに対して、荻原会長の講演だけには和やかな笑いがしばしば起こったという点が一番印象に残っています。また、お陰様で、CSAJが企画した5つのセミナーも立ち見が出るほど盛況でした。ただ、CSAJ会員企業からのCEATECへの出展は今年数社程度でした。CEATECのIoTへの大転換がCSAJ各会員企業に浸透していなかったのかなぁという気がしています。IoTに力を入れている会員企業にもっとしっかりとPRすれば、来年度以降はCSAJからもっとCEATECに出展してもらえるのではないかと思わずにはいられませんでした。
 10月8~9日は第27回高専プロコン(@伊勢市)の審査委員として、課題部門(「スポーツで切り拓く明るい未来」)21作品の審査をさせて頂きました。基本的に課題部門は9人の審査委員の総点数で順位が決まるのですが、偶然1~4位までが私の付けた順位と同じで驚きました。順当に1位が最優秀賞、2位が優秀賞、3,4位も3つの特別賞のうち2つを授与されました。最優秀賞の東京高専@八王子は、地元のカヌー団体と連携して、実際の選手にカメラと加速度センサーを付けてカヌーを漕いでもらい、それと同じ体験ができるシミュレータを製作しました。驚いたのが、カヌーの動きを再現するモーションシミュレータ(動力)を買うと非常に高価という理由で、自分たちで一から設計して製作してしまったことでした。私的にはプログラミングよりもそちらの方が大変だったのではないかと思ったくらいでした。優秀賞の弓削商船は、膝と腰にセンサーを付けてできるだけ膝に負担の少ない走行法をアドバイスできるソフトウェアで、具体的な製品化の話もあるとのこと、つい事業化するならCSAJファンドがあると紹介してしまいました。来年は、U-22で商務情報政策局長賞を受賞した徳山高専のある徳山@山口とのこと、これも何かのご縁でしょうか、来年も審査員として今から楽しみです。

筆者略歴

笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)

1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。

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