プログラミング教育出前授業レポート
~練馬区大泉第六小学校 プログラミング体験授業~

2020年2月20日

 このたび、プログラミング教育委員会の活動をきっかけに、区立小学校の要請で、プログラミング体験の出前授業が実施されました。

実施日 2020年1月27日(月)~28日(火)
実施校 練馬区立大泉第六小学校
対象 5年生・6年生の合計5クラス(1クラスあたり20名程度)
所要時間 90分(45分×2コマ)
協力企業 株式会社オープンストリーム
経緯 2018年11月に委員会で調査・公開した、ICT・プログラミング教育コンテンツ紹介サイトを発見した大泉第六小学校の校長先生より、プログラミング体験の出前授業を実施したいとの要請を受け、プログラミング教育委員会のメンバーと、当該サイトに掲載いただいた企業に対し、出前授業の実施可否を確認、複数社より実施可能な旨ご回答いただきました。その後、学校側の意向とすり合わせ、出前授業を実施いただく企業として、株式会社オープンストリーム様を選出・決定しました。途中、12月に練馬区のシステム障害の影響を受け、実施日の変更を余儀なくされるなどのトラブルもありましたが、無事に全5クラスでの実施の運びとなりました。

開催日当日は、この冬一番の冷え込みで、雪の予報も出ていたため、交通機関の混乱が予測されましたが、幸いにも予測されていたほどの積雪はなく、見学希望者全員が無事に時間内に会場へ到着しました。

会場のパソコン教室にはノートパソコンが20台強に有線LANが繋げられ、持ち出し禁止の施錠が行われています。授業開始のチャイムが鳴り、児童たちが元気にパソコン教室に入ってきました。

今回の出前授業を引き受けていただいたのは、プログラミング教育委員会メンバーの宮田友美氏(株式会社オープンストリーム)。宮田氏は、普段はアプリケーションエンジニアとしてスマホアプリ開発を行う傍ら、企業CSRの一環で、夏休みなどに子供たちにプログラミングワークショップなどを行った活動を行っており、ご自身も小学生のお子さんがいらっしゃるワーキングマザーです。今回小学校という公教育の場では初めて、ということでしたが、慣れしているご様子でした。
はじめに、宮田氏から子どもたちに「プログラミングとは何か」、「身近なもので何にプログラミングは使われているか」といった質問が行われ、「ゲーム機」、「掃除機」、「リモコン」といった様々な回答が返ってきます。

開催校の大泉第六小学校
授業にご協力いただいた宮田様

そしていよいよScratch体験です。
今回は企業でもよく使用される「モブプロ」という手法を用いて、3人または4人で一組のチームを構成、タイピスト(PC操作担当)とナビゲーター(アイデア出し、プログラムを考える人)に分かれ、与えられた課題に対し、どういうプログラムをすれば正しく動くか、回答を見つけていきます。
Scratchに触れだすと、子供たちはますます元気に。各々で新たなアイテムを見つけては、自分たちで積極的にトライ&エラーを繰り返し、楽しんで学習している様子でした。
コードを考える行程に入ると、詰まってしまうチームもありましたが、宮田氏の指導の元、少しずつ理解してきたようです。
既にパソコンクラブやプログラミングスクールなどで学んでいる子は、子供たちの中の「先生」になり、他のチームを支援しているところも見受けられました。

CSAJ発端初となる公教育出前授業
機材管理者は教育委員会
真剣な様子の児童たち
ホワイトボードで考え方を指導

また、児童たちに話を聞いてもらうときには、PC操作を強制的にストップさせる支援システムなど、学校ならではの機材も設置されており、授業が円滑に進むための工夫も施されていました。一方で、機材制御が解除されると児童たちは「やったー!」とまた元気にPCを触り出す点も印象的でした。

先生も興味深々
児童のPCを制御する装置

出前授業の感想

開催校:大泉第六小学校 校長 西野 國子 様

今回、練馬区のシステム障害のため、12月の実施予定が1か月遅れになりましたが、無事実施できてほっとしています。
子供たちはすでに家でかなりスクラッチなど経験している子もいて、知識はある子が多かったのが印象的でした。
やはりどんどん体験することで、楽しさに気付き、プログラミング思考、コンピューターを使うことの良さ、主体的に問題を解決するための道具として将来活用する力につながっていくと思います。今後ともサポートをお願いできたら嬉しいです。

講師:株式会社オープンストリーム 宮田 友美 様

私自身にも多くの学びがあり、2日間とても楽しい時間を過ごさせていただきました。
子供たちのモチベーションの高さや、アマゾンプライムをほぼ全員が認識していることにも驚きました。
今回は1人1台のPCがないとのことで、モブプログラミングという方法でプログラミングしてもらいました。実は開始前は、子供たちはやっぱり自分1人でPC使いたいかな、と心配していました。ところが、子供たちのアンケートや先生方のアンケートでは、モブプログラミング楽しかった、モブプログラミングが学習としてとても良いと思いました等という感想をいただきました。1人1台のPCが用意できない学校でも、ポジティブにプログラミング学習に取り組めることがわかったのでとても有意義だったと思います。
もし、1人1台のPCを用意できなくてお悩みの学校があればお手伝いできるかもしれません。
また、子供たちのアンケートでまた来て教えて下さいとの声もありましたので、もしもまた機会をいただけるようでしたら今回の続きをできたらとも思います。

最後に

4月からいよいよ小学校でプログラミング教育がスタートしますが、実施方法などは学校の裁量に一任されており、現場ではまだまだ先生たちがどうしたら良いかわからない、といった声も多く耳にしています。 プログラミング教育委員会では、今後も教育委員会や先生たちの課題解決のサポートを進めてまいります。

お問い合わせ

一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)
事務局 若生 E-mail:ops@csaj.jp
TEL:03-3560-8440

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