レポート:量子コンピュータが変える未来

2021年7月5日

AI・量子計算技術研究会主催

 AI・量子計算技術研究会では、人工知能と量子コンピュータをテーマにした最新技術動向について調査研究を行い、情報発信を行っています。

 今回は、最も実現性が高いともいわれている日本発祥の「量子アニーリング方式」をテーマに、国内研究の第一人者でもある大関真之氏を講師にお招きし、研究内容と未来への展望についてご講演いただきました。

 大関様からは、量子コンピュータは何がすごいのか、という点について、「超省電力」「超高速計算」「量子実験」3つのキーワードをあげ、メディアでは「超高速」ばかりが取り上げられているが、本来は「超省電力」が素晴らしいということ、さらに、量子コンピュータの可能性として、組み合わせ最適化計算式にあてはめることができると、ビジネスの世界で有用であるという点など、具体的事例を交えてご説明いただきました。

 参加者は「知識がない者にもわかるよう、要点を分かり易くご説明いただいた」「どのような応用分野があるのかこれを機に学んでみたい」など好評の声をいただきました。

 次回は9月17日15時開催を予定しております。

概要

日 時 2021年6月24日(木) 13:00~14:30
会 場 オンライン(zoomウェビナー)
対 象 SAJ会員・一般
参 加 26社35名

プログラム

13:00~13:05 開会挨拶(5分)

13:05~14:30

「量子コンピュータが変える未来」

講師:大関 真之氏
(東北大学大学院 情報科学研究科 情報基礎科学専攻 教授)

講演概要:
量子コンピュータに強い期待が寄せられて、様々な媒体を通じて多くの情報を知ることがあるだろう。
そのような興味の高まりのもと、実際の研究においてはその有用性を模索することが進められている。
東北大学では量子アニーリング方式にこだわり、応用研究を推進してきた。
その経過とともに現状や今後の展開について紹介する。

講師略歴

大関 真之(おおぜき まさゆき) 氏
東北大学大学院 情報科学研究科 情報基礎科学専攻 教授
1982年東京生まれ。2008年東京工業大学大学院理工学研究科物性物理学専攻博士課程早期修了。東京工業大学産学官連携研究員、ローマ大学物理学科研究員、京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻助教、東北大学大学院情報科学研究科応用情報科学専攻准教授を経て、2021年1月より東北大学大学院情報科学研究科情報基礎科学専攻教授。
非常に複雑な多数の要素間の関係や集団としての性質を明らかにする統計力学と呼ばれる学問体系を切り口として、機械学習を始めとする現代のキーテクノロジーを独自の表現で理解して、広く社会に普及させることを目指している。大量の情報から本質的な部分を抽出する、または少数の情報から満足のいく精度で背後にある構造を明らかにすることができる「スパースモデリング」や、次世代コンピュータとして期待される量子コンピュータ、とりわけ「量子アニーリング」形式に関する研究活動を展開している。平成28年度文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。近著に「機械学習入門-ボルツマン機械学習から深層学習まで-」、「量子コンピュータが人工知能を加速する」(共著)がある。

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竹原主査挨拶
大関氏講演の様子

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