令和3年3月新規中学校・高等学校卒業者の就職に係る推薦及び選考開始期日等並びに文書募集開始時期等について

2020年3月4日

省庁・団体名

文部科学省
厚生労働省

内容

 新規学校卒業者の就職については、種々御協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 文部科学省及び厚生労働省においては、今後も、学校教育を充実し、就職希望者の適正かつ主体的な職業選択を確保するとともに、求人秩序の確立を図るため、令和2年度においても選考開始期日等の完全遵守をお願いする次第であります。
 また、新規学校卒業者の採用に当たっては、本人の適性と能力のみを基準としてこれを行い、定時制課程及び通信制課程の卒業者と全日制課程の卒業者との間の差別的な取扱いや同和問題に係る差別的取扱いが行われないよう、また、男女雇用機会均等法の趣旨に沿った採用活動を行うとともに、障害者に対しては格別の配慮がなされるようお願いします。
 さらに、新規学校卒業者に対しての事業主の一方的な都合による採用内定取消し及び入職時期の繰下げは、決してあってはならない重大な問題です。このため「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(平成27年厚生労働省告示第406号)に沿った適正な募集・採用等が行われますよう、併せて御配慮をお願いします。
 なお、新規大学等卒業者に係る採用選考が新規中学校卒業者(新規義務教育学校卒業者及び中等教育学校の前期課程修了者を含む。以下同じ。)及び新規高等学校卒業者(新規中等教育学校卒業者を含む。以下同じ。)に係る採用選考よりも早期に行われているところですが、それにより、新規中学校卒業者及び新規高等学校卒業者の就職機会に影響が及ばないよう配慮をお願いするところであります。
 新規学卒者をめぐる就職環境は全体として順調に回復していると考えられるものの、就職が決まらない生徒も一定数おります。仮に就職未決定のまま卒業を迎える者が多数にのぼるとすれば、本人にとって若年期に就業を通じた知識・技能の蓄積が図れず、将来のキャリア形成の支障となるとともに、我が国の産業や社会を支える人材の育成が図られないなど深刻な問題を引き起こしかねません。将来にわたる日本経済の競争力・生産性の向上を図るため、こうした取組に御理解をいただき、令和3年3月卒業予定者のための就職機会の確保に向けた努力をお願いします。

第1 新規中学校・高等学校卒業者の就職に係る推薦及び選考開始期日等

1. 推薦及び選考開始期日並びに採用内定

(1)新規中学校卒業者の推薦及び選考開始期日については、令和3年1月1日以降とし、積雪地の関係からやむを得ない事情があるときは、次の地域に限り、令和2年12月1日から行っても差し支えないこと。

北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県(飯山公共職業安定所管内の地域に限る.)、島根県(松江公共職業安定所隠岐の島出張所管内の地域に限る。)

(2)新規高等学校卒業者の推薦開始期日については、推薦文書の到達が令和2年9月5日(沖縄県については令和2年8月30日)以降となるようにすること。

(3)新規高等学校卒業者の選考開始期日については、令和2年9月16日以降とすること。

(4)採用内定の開始については、従前と同様、選考開始と同日以降に行うことができるものであること。

2. 求人申込みの手続き等

(1)職業安定法(昭和22年法律第141号)第27条又は第33条の2の規定に基づいて、新規高等学校卒業者に係る求人申込みを受理する高等学校(中等教育学校を含む。以下同じ。)に求人申込みを行う場合においては、当面、適正な求人条件の確保、早期推薦・選考の防止及び円滑な労働力需給調整の実施等の見地から、求人申込みを行おうとする事業所は、当該事業所を管轄する公共職業安定所(以下「安定所」という。)に求人申込書を提出して、選考期日、求人内容等について適正であることの安定所の受理・確認(求人票への受理・確認印の押印)を受けた後、当該求人票により高等学校に求人申込みを行わなければならないこととすること。
したがって、この手続きによらない求人申込みのあった場合には、高等学校は、生徒の推薦を行わず、確認印の押印のある求人票の提出を求め、その提出後、推薦を行うものとすること。

(※)民間職業紹介事業者を活用する場合はこの限りではない。

(2)求人申込みの受理の期日等については、安定所の確認事務の的確な実施等適正な求人の確保を図るため、次のとおりとすること。

ア 新規中学校卒業者に係る求人申込みの受理の期日等

(ア)安定所における求人申込みの受理は、令和2年6月1日から開始するものとすること。
(イ)安定所の他安定所への求人連絡は、令和2年7月1日以降開始するものとすること。

イ 新規高等学校卒業者に係る求人申込みの受理の期日等

(ア)安定所における求人申込みの受理及び確認のための求人票の受付は、令和2年6月1日から開始するものとすること。
(イ)安定所が確認した求人票の求人者に対する返戻は、令和2年7月1日から開始するものとすること。
(ウ)学校における求人申込みの受理は、令和2年7月1日以降開始するものとすること。また、安定所で受理した求人の学校への提示についても、令和2年7月1日以降に行うものとすること。

(3)求人活動のための学校訪問については、原則として安定所において確認を受けた求人票により学校に求人申込みを行った日以降に行うこととするが、学校の事前の了解の下に、安定所に求人申込みを行った日以降についても行うことができるものとすること。

3. 就業開始期日

(1)新規中学校卒業者の就業開始(実習、研修等を含む。)時期は、労働基準法(昭和22年法律第49号)第56条の規定により令和3年4月1日以降とすること。

(2)新規高等学校卒業者の就業開始時期については、卒業後とするよう事業所を指導すること。

4. 選考の通知

選考後は、採用内定取消しが生じないよう十分配慮しつつ、できる限り速やかに採否を決定し、選考を受けた生徒にその旨を通知すること。

5. 民間職業紹介事業者による就職あっせんについては、都道府県高等学校就職問題検討会議(都道府県教育委員会と都道府県労働局が共同で開催)における申し合わせ事項を遵守すること。また、民間職業紹介事業者を活用して求人の申込みをする場合、公共職業安定所を活用する場合と同様に全国高等学校統一応募書類の使用を徹底すること。

6. 東京オリンピック・パラリンピック開催期間中の応募前職場見学等について

令和2年は東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されており、同期間中に首都圏で行われる応募前職場見学(※)等に際しては、生徒の交通手段や宿泊施設確保に困難が伴う等の事態が想定されるため、必要に応じて生徒個々の事情に配慮すること。

(※)なお、応募前職場見学は、生徒が事前に職業や職場への理解を深めるために行うものであり、採用選考の場とならないよう十分ご注意いただきたい。

第2 新規中学校・高等学校卒業者の文書募集の取扱い

1. 新規高等学校卒業者を対象とする文書募集の取扱い

新規高等学校卒業者を対象とする文書募集の開始時期は令和2年7月1日以降とすること。
なお、文書募集を行う場合は次の条件によることとすること。

(1)安定所において確認を受けた求人であって、当該求人の求人票記載内容と異なるものでないこと。

(2)広告等掲載に当たっては、事業所を管轄する安定所名及び求人の求人番号を掲載すること。

(3)応募の受付は学校又は安定所を通じて行うこと。また、求人者が文書募集による応募者を受け付ける場合であっても、推薦開始期日、採用選考期日については、上記第1の1(2)から(4)の取扱いと同様であること。

2. 新規中学校卒業者を対象とする文書募集の取扱い

新規中学校卒業者を対象とする文書募集は行わないこと。

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