労働契約法の無期転換ルールの円滑な運用について

2019年2月26日

省庁・団体名

厚生労働省

内容

 労働基準行政の推進につきましては、日頃より御尽力を賜り感謝申し上げます。

 さて、平成25年4月に施行された改正労働契約法第18条に基づく「同一の使用者との間で有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる仕組み」(以下「無期転換ルール」という。)は、雇止めの不安などを解消し、安心して働き続けることができる社会を実現することで、労働者が長期的なキャリア形成を図ることを可能とするとともに、企業にとっても優秀な人材の確保を可能とするものです。

 平成30年4月以降、多くの有期契約労働者に無期転換申込権が発生しており、有期契約労働者を多く雇用する業界における無期転換ルールへの対応が注目を集めるなど、無期転換ルールの円滑な導入・運用に向けた社会的関心が高まりつつある状況にあります。

 これから年度末にかけて、契約更新の時期を迎える有期契約労働者が多くなりますが、契約期間が3月末までである有期契約労働者が無期転換申込権を行使した場合、本年4月1日に無期労働契約に転換することとなりますので、人事制度の検討や就業規則などの関係諸規程の整備が未了の企業は、早急な対応が必要となります。

 また、無期転換ルールへの対応にあたりましては、例えば以下の事例のように、無期転換ルールの適用を意図的に避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に 雇止め等を行うことは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではなく、慎重な対応が必要です。

  • 無期転換申込権が発生する5年を経過する直前に、一方的に、使用者が契約の更新上限(例:有期労働契約の更新は5年を超えることができない)を就業規則に設け、これに基づき無期転換申込権の発生前に雇止めを行うこと
  • 契約更新上限を設けた上で、形式的にクーリング期間を設定し、当該期間経過後に再雇用することを約東した上で雇止めを行うこと

 このほか、研究開発法人や大学等と有期労働契約を締結した研究者、教員等については、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成20年法律第63号)及び大学の教員等の任期に関する法律(平成9年法律第82号)により、無期転換ルールの特例が定められておりますが、当該研究者、教員等であることをもって、一律に当該特例の対象者となるものではないことに留意が必要です。

 厚生労働省においては、労働契約法の趣旨を踏まえた無期転換ルール等の円滑な導入・ 運用が図られるよう、より一層の周知・啓発に取り組んでまいります。

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お問い合わせ

厚生労働省労働基準局労働関係法課
政策係 大坪
TEL: 03-5253-1111(内線5587) E-Mail: ootsubo-kouya@mhlw.go.jp

労働契約第一係 第二係
森、久保田、高田
TEL: 03-5253-1111(内線7750, 7753)
E-Mail: mori-kentamk@mhlw.go.jp, kubota-akira@mhlw.go.jp, takata-akihiro@mhlw.go.jp

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