「専務のツブヤキ」
~内閣改造、情報化月間、平成31年度政府概算要求、DX(デジタルトランスフォーメーション)~

2018年10月15日

CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎

10月早々内閣改造がありましたが、IT分野に造詣の深い 世耕経済産業大臣が留任 されたことは当協会にとっても大変喜ばしいことと思います。 デジタルファーストを標榜される平井先生もIT担当大臣 とのこと、これも心強いことと思います。いずれにしろ、 今回の内閣改造は総じて当協会にとっては追い風 ではないかと考える次第です。

  10月は情報化月間 です。CSAJからは、一昨年は㈱ワークスアプリケーションズ様、昨年は㈱豆蔵様が企業等部門で経済産業大臣賞を受賞しましたが、今年は個人部門で当協会の 水谷筆頭副会長が経済産業大臣賞を受賞 されました。受賞理由は、当協会の筆頭副会長として、個人情報保護やマイナンバー対応、データ提供・利用環境の整備などの分野で、 業界をまとめ、代表して意見を発信し、政府の政策策定に貢献 したこと、また、公認会計士でもありソフトウェアエンジニアでもある自身の知見を生かし、 パッケージソフトウェア業界と会計士業界の橋渡し役 となり、有価証券報告書の開示システムや国税電子申告システムにおける技術仕様(XBRL)構築に貢献したことでした。当協会の会員アンケートでもCSAJは政府への政策提言を今後積極的に行うべきであるとの意見が最も多く、平成30年度活動の重点項目の一番に「ソフトウェアによる生産性革命に資する政策提言」を上げておりますが、まさに先頭を切ってそれを体現なさって来たのが水谷筆頭副会長でした。その功績が経済産業省の方でも高く評価されたとのこと、心よりお慶び申し上げたいと思います。

 また、8月末に経済産業省が平成31年度概算要求を提出しておりますが、第1の柱が 「データを核としたオープンイノベーションの推進によるSociety5.0の実現」 であり、当協会に最も関係が深い部分と思われます。自動走行、ロボット、バイオなど重点5分野を中心に Connected Industriesの推進 はもちろんのこと、 キャッシュレスの推進 でも、キャッスレス対応を可能とする決済端末の導入支援や決済に活用するQRコードの標準化などにより、一層のキャッスレス比率の向上も図っていくとのことでした。この他、Society5.0を担うベンチャーやその人材の育成やAIの実装とそれを支える研究開発/人材育成・活用にも重点的に予算が配分されています。その中で当協会も深くコミットしてきた 第4次産業描革命スキル習得講座の活用やITパスポート試験の抜本的改訂により、IT・AIのリカレント教育の強化 を行うとされています。

 最後は、 官民のデジタルトランスフォーメーション(DX) です。概算要求では、デジタルガバメント構築に向け、事業者が補助金申請や法令手続等、 様々な行政手続を1つのIDで行える「法人共通認証基盤」 や、補助金申請から事業完了後の精算まで、手続がすべてオンラインで完結するシステムを構築するためや老朽化や累次の改修で複雑化した民間ITシステムの刷新に向け、 社内のDX推進体制や実行プロセス、ITシステムの構造の「見える化」の指標・診断スキームを構築 するための予算が計上されています。

 DXに関しては経産省内でも研究会が設置され私も毎回オブザーバー参加しておりました。その中では 「2025年の崖」 という議論があり、早急にレガシーシステム(技術的負債)を何とかしないと2025年にはデジタル競争の敗者になり、大変な経営上のリスクを背負うことになるとのことでした。一方、レガシーシステムを処理し、IT予算を攻めのIT投資に振り向け、デジタル人材の確保・育成に成功すれば、 デジタルネイティブ世代の人材を中心とした新ビジネス創出へ道が開ける とのことでした。その一翼を担うのが、当協会で現在開発を進めている 「高度IT技術を活用した創造プログラム」研修講座 ではなかと思っていたのですが、今月から始める第2期の講座において受講者を募集したところ、CSAJ会員以外の ユーザー企業から多数の応募を頂き、その意をさらに強くした 次第です。

筆者略歴

笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)

1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。

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